脇役なのに主役
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ドラマや映画の世界で演技力のあるバイプレーヤーを「主役を食う演技力」と評することがあると思いますが、今回使用した柚子ピールはまさに名バイプレーヤーです。
苦味の原因となる皮の内側の白い部分を手作業でしっかり取ることで澄んだ香りの柚子ピールとなりました。この作業がきちんと行われていないと後味に苦味を感じたりします。簡単なようで手間暇のかかる作業だと聞いています。
このピールを使用したことと合わせるお茶を葉の部分ではなく清涼感のある茎の部分にしたことで驚くほど柚子の香りが薫り立ちました。まさに主役のお茶を食う存在感です。そこに宇治抹茶と隠し味としてカボスをほんの少しブレンドしました。
映画も主役、脇役、照明、音楽、色々なものの調和の上に素晴らしい作品となるように、お茶も含まれる素材の調和がとても大切です。
柚子のピールと茎茶を中心に最高の作品になったと思います。柚子の香で癒しの時間をお過ごしください。
店主 山口