抹茶も言葉と同じように…

 

世代が変われば言葉や生活が変わるように、抹茶の歴史もまさに転換期に入っていると思います。本来の抹茶は茶農家が我が子を愛しむように茶の葉を見守り、直射日光が当たらないよう葦簀をし、手間暇をかけ一年に一度、丁寧に若葉を手積みしていました。そして手積みした茶葉は乾燥され、じっくり時間をかけ石臼で挽かれていました。

 

近年の抹茶の楽しみ方はまさに十人十色、昔の茶人が知ったら嘆き悲しむかもしれません。

 

しかしお茶屋を営む私の思いは別にあります。
世の中には飲み物一つとっても様々なものがあります。そんな中でも抹茶は愛されています。

 

抹茶として飲まれる機会は減ったかもしれませんが、抹茶スイーツや、抹茶オレ、抹茶ラテ、抹茶パフェや抹茶のお菓子となり、形が変われど現代でも抹茶を楽しむ方・楽しむ方法がこんなにも多いという事がお茶屋として本当に嬉しいのです。
お米だってチャーハンや、オムライス、リゾット、おせんべい、お酒になったりと様々な楽しみ方がありますよね。

 

macha

 

では、本当の抹茶とはなんでしょう。

 

先日、抹茶の本場である京都府宇治市に足を運びました。
皆様ご存知の「宇治抹茶」です。その伝統の宇治抹茶を昔ながらの製法で守られている、宇治抹茶問屋の桑原善助商店代表の桑原秀樹さんにお会いし、製法を学ばせていただきました。この方は第22回紫式部市民文化賞を受賞されたまさに抹茶界の「匠」的存在です。

 

最近の抹茶と桑原さんの宇治抹茶との違いは

 

ここ数年、抹茶菓子や抹茶スイーツ、甘味抹茶飲料などの普及により抹茶の需要は飛躍的に拡大しました。

その需要に対応する為、本来は抹茶として使用しない品質の茶葉を、大型機械で効率よく粉末にしたものが多く出回っているとの事です。周りの問屋さんがどんどん機械化していく中で、桑原さんは昔からの製法と高い品質にこだわり、宇治抹茶の品質と伝統を守り続けています。そして守る為の活動もされています。

 

私はこの活動に感銘を受けました。抹茶を用いて新しい価値を生み出し、そして多くの人々に抹茶の魅力を知ってもらい、好きになってもらう事も大切ですが、抹茶そのものの品質、伝統を守る人もまた大切だという事に改めて気付かされました。

 

 

お茶屋が飲んで「うまい!」と思える抹茶を提供したい

 

椿宗善でも「至宝の昔」や「九重の昔」等の本格抹茶も取り扱っていますが、ぐりーんてぃ、抹茶カプチーノなどの所謂「甘味抹茶」も取り扱っています。どちらも大変人気がありますが、お茶屋として甘味抹茶とはいえ抹茶の品質には一切妥協をしません。甘味抹茶で使用する抹茶には宇治抹茶を使用し、味・品質ともに同業者が唸る程です。

 

今回、宇治抹茶の品質と伝統を守る桑原さんと同じように、私はお茶屋としてお客様に「これが本当のうまい抹茶の味です」と自信を持ってお奨めできる抹茶の味を守っていきたいと心に誓いました。